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ミヒャエル・エンデ 『魔法のカクテル』Michael Ende "Der satanalch覚l殀enialkoh嗟lische Wunschpunsch" 大晦日の夜。魔法枢密顧問官ベルゼブブ・イルヴィッツァーは追い詰められていた。地獄の支配者から課せられた彼の仕事―世界に災厄をもたらすこと―はひどく滞っていたのだ。そんな彼の前に地獄の執行官が現れ、年が明けるまでにノルマを果 たせない場合、差し押さえの措置がとられると告げる。彼に残された時間は7時間、とても遅れが取り戻せる時間ではない。 そもそも彼の仕事を遅らせる原因になったのは、動物評議会が送り込んだスパイである一匹の雄ネコだった。イルヴィッツァーの引き起こした疫病や川の汚染に疑惑をもった自然界が処置を講じてきたのだ。イルヴィッツァーはこの雄ネコ、マウリツィオをすっかり飼いならし、スパイとしては全くの役立たずにしていたが、仕事の遅れは防げなかった。 やがてイルヴィッツァーの研究所に一羽のカラスが舞い込む。ヤーコプと名乗るそのカラスはイルヴィッツァーの伯母、テュラニアの来訪を告げる使者として現れたのだ。伯母の来訪を知ったイルヴィッツァーは半狂乱になり、マウリツィオとヤーコプを残して倉庫に駆け込む。 イルヴィッツァーが去ると、ヤーコプはマウリツィオに自分も動物評議会のスパイだと告げるとともに、イルヴィッツァーとテュラニアが災厄の現況だと話す。彼らはテュラニアの到着直前にドラム缶 に身を隠し、戻ってきたイルヴィッツァーとテュラニアの会話を盗み聞く。 イルヴィッツァーと同じ状況に追い込まれていたテュラニアは、現状を打開する唯一の手段、魔法のカクテルを作るために現れたのだ。カクテルのレシピは、半分が彼女の手許に、もう半分がイルヴィッツァーの手許にあった。飲んだものの願いをすべてかなえる―ただし言ったことと逆に―魔法のカクテルが完成すれば、世界は破滅してしまう。マウリツィオとヤーコプは世界を救えるのだろうか…。
この本の構成で面白いのは、各章のはじめに時計が描かれ、刻一刻と迫る年明けに向かって物語が進行するところだ。ともすると時刻を読み飛ばしてしまいそうだが、時間を気にしながら読んでみても面 白いかもしれない。 『モモ』や『果てしない物語』とは一味違ったエンデが楽しめる、オススメの1冊だ。 ©Wataru Watanabe, 2002
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