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アーデルベルト・フォン・シャミッソー 『影を無くした男』Adelbert von Chamisso 絮eter Schlemihls wundersame Geschichte"
船旅を終えたペーター・シュレミールは紹介状を携え、富豪のトーマス・ヨーン氏を訪ねる。ヨーン氏の邸宅はおりしも上流社会の来客で賑わっていた。来客の一人が薔薇の小枝を折り取ろうとして指に怪我をする。すると近くに立っていた、灰色の燕尾服を着た目立たない男がポケットからバンソウコウを取り出す。この男はさらにポケットからじゅうたんにテント、挙句の果 てには馬を三頭も取り出すが、誰もそれに気付かない。それに誰もこの男のことを知らないのである。 やがてこの男はシュレミールに話し掛け、シュレミールの影が欲しいと言い出す。その代償として男が申し出た幸運の金袋、無尽蔵に金貨を生み出す財布に目がくらみ、シュレミールは承諾を与えてしまう。男はシュレミールの影を無造作にクルクルと巻き取り、ポケットに収める。 シュレミールはすぐにこの取引を後悔する。周囲の人々が彼に影がないことに気付き始めたのだ…。
ドイツロマン派の文学というと冗長なものも少なくないが、メルヘン仕立てのこの短編は発想の面 白さと程よいユーモアを備えた読みやすい作品である。 ©Wataru Watanabe, 2002
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